護身と癒しを両立する柔術入門|“距離・呼吸・やさしいムーブ”で整える


結論:この入門は「戦わない」を前提にした柔術。
距離を作る・呼吸で落ち着く・安全に立ち上がる——この3つをやさしいソロムーブで身につけ、心身の“整い(癒し)”も一緒に育てます。

安全メモ(最重要)
・本記事は非コンタクト/スパーなしが前提。
・痛み・めまい・しびれが出たら即中止。持病や既往がある方は医療者に相談。
・関節技・絞め技・投げは行いません(目的は安全な退出セルフケア)。

護身×癒しの原則(5つだけ)

  • 観察:相手・出口・障害物を一瞬で確認(目線は柔らかく)。
  • 距離:正面密着を避け45°半身+腕1本分をキープ。
  • 呼吸:鼻4・口6でお腹360°に空気——心拍を落とす。
  • フレーム:前腕と膝で“やさしい壁”を作り、押す>引くで距離を回復。
  • 退出:安全最優先。言葉→離脱→助けを呼ぶ。勝負はしない。

まずはここから:10分ルーティン(道具いらず)

  1. 呼吸2分:鼻4・口6×6(肩は下げ、吐く時にお腹を軽く凹ませる)
  2. 骨盤コロコロ1分:仰向けで骨盤を左右に小さく揺らす
  3. ブリッジ2分:踵で床を押しお尻を軽く持ち上げる×8、休憩、もう1セット
  4. シュリンプ3分:仰向け→横向き→お尻を後ろへ“引く”動き×片側6回ずつ
  5. テクニカルスタンドアップ2分:片手片足で支え後退→安全に立つ×5回(ゆっくり)

※カーペット/ヨガマット推奨。痛みが出たら可動域を小さくor中止。

やさしい柔術ムーブ(ソロ版の分解)

1) ブリッジ(小)

  • 目的:床反力の感覚/腰背部の連動づくり
  • やり方:仰向けで膝を立て、踵で床を押す→お尻を5〜10cmだけアップ
  • NG:首で反る/反動で跳ねる

2) シュリンプ(ヒップエスケープ)

  • 目的:圧からの“横逃げ”を体に覚えさせる
  • やり方:横向きで膝を胸に寄せ→足で床を押しながらお尻を後方へスライド
  • コツ:上側の肘膝を近づけ“フレーム”を作る

3) テクニカルスタンドアップ(安全な立ち上がり)

  • 目的:距離を作りながら立つ/転倒回避
  • やり方:片手と反対側の足で支える→お尻を浮かせて一歩後ろへ→視線を上げて立つ
  • NG:相手に背中を向けたまま前屈みで立つ
ペア練をするなら(任意)
クッションを“相手”に見立ててフレーム→シュリンプ→立ち上がりの流れをゆっくり通す。
コン タクトは最小限・会話しながら。関節・首に圧をかける操作は行わない。

デエスカレーション(言葉と姿勢で守る)

  • 姿勢:45°半身/手のひらを見せるオープンハンド/視線は柔らかく短く
  • :低め・ゆっくり・短文。「今は距離をとります」「落ち着いて話します」
  • 言い換え:「ダメ」→「この方法が安全です」/「やめて」→「手を離してください」
  • 退出:安全な出口→人のいる場所へ→通報・支援要請

※各地域の正当防衛・緊急避難の要件は法制度で異なります。過剰反応を避け、まずは離脱と通報を。

メンタルケア:その場で整える2分

  1. 箱呼吸吸う4・止める4・吐く4・止める4×4周
  2. グラウンディング:5-4-3-2-1(見える/触れる/聞こえる/嗅げる/味)で“今ここ”に戻る

4週間プラン(週2〜3/各20〜40分)

目標 メニュー例
1 呼吸と体幹の土台 呼吸→ブリッジ→骨盤コロコロ→整え
2 横への逃げ(距離回復) フレーム作り→シュリンプ→整え
3 安全な立ち上がり シュリンプ→テクニカルスタンドアップ→整え
4 流れの統合+デエスカレーション 呼吸→フレーム→シュリンプ→立ち上がり→言葉の練習

日記に「睡眠/ストレス/完了ムーブ」を1行メモ。Never miss twice(休んでも翌回戻る)。

介護・医療・教育現場向けメモ

  • まず環境介入(明るさ・音・動線・人数)でリスクを下げる。
  • 接触はフレーム(骨で支える)まで。痛み・ねじりは使わない。
  • 合図は低くゆっくり・短文。「今から〇〇します」「1・2・3で動きます」。
  • チーム合意の退出合図・連絡手順をポスター化して可視化。

Q&A

  • Q. 関節技は覚えなくていい?
    A. この入門では不要。目的は距離を作って離脱+心身の安定。
  • Q. 体が硬いです。
    A. 可動域は小さくOK。痛み0〜10で3以下を基準に。
  • Q. 家族にも教えたい。
    A. 10分ルーティンと“言い方”だけ共有を。危険な練習はしないこと。

今日の2分アクション

  1. 鼻4・口6の呼吸×6
  2. テクニカルスタンドアップをゆっくり2回

免責:本記事は経験と一般的知見に基づく情報であり、医療・法的助言の代替ではありません。各自の責任で安全に配慮して実施してください。

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