空手と柔術、どちらが高齢者に向いている?|“立って整える”か“床で整える”か


先に結論:どちらも“目的に合わせて強度を下げればOK”
転倒予防・姿勢・呼吸を整えたいなら空手(型・基本)床の起き上がり・可動性を高めたいなら柔術(基礎ムーブ)がハマりやすいです。

安全メモ
・投げ/極め/フルコンタクトは高齢者には行わない
・痛み・めまい・息切れが出たら中止。医師の指示がある場合はそれを最優先。
・強度は“楽~やや楽”(主観的運動強度:会話できる程度)を基準に。

比較ざっくり表

観点 空手(型・基本中心) 柔術(基礎ムーブ中心)
主な刺激 立位バランス/姿勢/呼吸 床での可動域/体幹/起き上がり力
衝撃 打撃はシャドーなら低負荷 打撃なし・接触は調整可
ハードさ 立位が長いと負担→イスで調整 立ち座りが不安なら段階的に
膝・腰への配慮 深い屈伸や捻りは浅めに 四つ這い→ハーフニーで無理なく
始めやすさ 「型」をゆっくり大きく/座位でもOK マット上で小さくゆっくり動く

始める前のチェック

  • 医師に確認:骨粗鬆症が強い/重い心・脳血管疾患/頚椎・人工関節の既往など
  • 指導者へ共有:膝・腰・肩の痛み、血圧、めまい歴、転倒歴
  • 教室選び:シニア・ビギナー向け、スパー無し、基礎中心が明記されているか

8週間プラン(週2・各30〜45分)

空手プラン(立位が辛ければイスで)

  1. 姿勢・呼吸:鼻4・口6×6、肩を下げて胸を長く
  2. 基本:突き・受け・移動(ゆっくり大きく、無理に深く屈まない)
  3. :ごく簡単な流れを分割して練習
  4. 仕上げ:深呼吸・整え

柔術プラン(マットや布団の上)

  1. 可動づくり:骨盤コロコロ/股関節まわし
  2. 基礎ムーブ:小さなブリッジ/シュリンプ
  3. 移行練習:四つ這い→片膝立ち→立つ→座る(手すりや椅子活用)
  4. 仕上げ:深呼吸・整え

※スパーリングは不要。ポジション練習だけで十分です。

家でできる10分ルーティン

空手(立位が不安ならイスで)

  1. 呼吸:鼻4・口6×6
  2. 重心練習:直立→母指球へ静かに移す×6
  3. 突き:10回×2(肩すくめない/戻し速く)
  4. 内受け:10回×2(背中フラット)
  5. 深呼吸×3

柔術(マット上)

  1. 骨盤コロコロ左右×10
  2. ブリッジ×8(小さく)
  3. 片側シュリンプ×6ずつ
  4. 四つ這い→片膝立ち→立つ→座る×3往復
  5. 深呼吸×3

痛みやめまいが出たら中止。床は厚めのマットで。

どっちを選ぶ?(タイプ別の目安)

  • 立位がしんどい/ふらつきあり → まず柔術の床ムーブから
  • 床からの立ち上がりが怖い空手(型・イス)で体幹・バランス→後で床動作へ
  • 呼吸が浅い・猫背 → 空手の型×呼吸
  • 膝OAで深い曲げが不安 → 柔術の四つ這い・ハーフニー

迷ったら“ハイブリッド”(空手で立位の整え+柔術で床の可動)がおすすめ。

介護現場でのコツ(安全第一)

  • 声かけ:低め・ゆっくり・短文。「今から〇〇します」「いきます、1・2・3」
  • 環境:明るさ・音を整え、足元の段差と滑りをゼロに
  • 強度:痛み0〜10で3以下。疲れたら即やめる
  • Never miss twice:休んでも次回戻る=継続最優先

まとめ

  • 空手=立って整える。姿勢・呼吸・バランスに◎
  • 柔術=床で整える。可動域・起き上がり力に◎
  • 目的に合わせて強度を下げ、安心して続けられる形に調整しよう

今日の2分アクション

  1. 空手:突き10回(ゆっくり)+深呼吸×3
  2. 柔術:ブリッジ×6(小さく)+深呼吸×3

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