[ボクシング入門] スリッピングとダッキング

【ボクシング入門】スリッピングとダッキング

「当てる前に、まず当たらない」。最小限の動きでパンチを外し、即カウンターへつなげよう。
コツはこぶし一つぶんだけ避けること。ブンブン大きく動くほど反撃が遅れやすいよ。

参考動画(基本の見本)

目線は落とさず、打つ相手の肩〜胸元を“ぼんやり広く”見るのがコツ。

よけるメリット(3つ)

  1. 相手の戻しを遅らせる:空振りで体勢が崩れ疲れる=次が遅い。
  2. 反撃の窓が生まれる:防御が遅れた相手に先手のカウンターを差し込みやすい。
  3. 被弾ダメージが激減:当たらなければ削られない。勝負所に出力を温存できる。

ただし無駄に大きく動かないこと。理想はこぶし一つ分の最小回避。

基本の仕組み:スリップ/ダックの違い

  • スリッピング:頭を左右へ小さくずらす。膝と骨盤・肩の連動で軸は保つ。上体だけでクネらない。
  • ダッキング:頭を上下に落とす。膝で沈む(腰は前屈しすぎない)。背すじは長いまま。
  • 共通:ガードは顔周辺から離さない/視線は前戻しは倍速(出1:戻2)

スリッピングのやり方(左右)

左へスリップ(オーソドックス想定)

  • 相手の右ストに合わせ、左膝を軽く内へ、左肩を少し前へ。
  • 頭はこぶし一つ分だけ外へ。重心は母趾球のまま。
  • 戻しは倍速でセンターへ→すぐ打ち返す。
右へスリップ(オーソドックス想定)

  • 相手のジャブに合わせ、右膝を軽く内へ、右肩を少し前へ。
  • 頭はライン外へ数センチ。のけ反らない
  • 戻しながら前足→後足で距離調整→カウンター準備。

ダッキングのやり方(フック想定)

  • 相手の左右フックに合わせて、膝を抜いてスッと沈む(10〜15cmで十分)。
  • 腰から前に折れない。背すじは長く、目線は前。
  • 沈みながら半歩左回りで角度を作ると、当たりにくく返しやすい。
  • 上がると同時に短いショット(ボディ/アッパー)を差し込むと効果大。

カウンター例(決め打ちテンプレ)

① ジャブ外→右スト

右へスリップで相手ジャブを外す→その場で右スト。距離は自分で届かせる。

② 右スト外→左フック

左へスリップで相手右を外す→戻しと同時に左フック(顔 or 肝)。

③ フックくぐり→ボディ→上

ダックでくぐる→左ボディ→小角度から右ストで〆。

④ スリップ→ジャブ差し返し

右へスリップ→前の手を最短で返す(顔面のセンターへ)。

ラウンド制メニュー(1/2/3分)

🔰 超入門:1分×3R(休45秒)

  1. R1:ロープスリップ(紐の下を左右に交互)
  2. R2:スリップ→ジャブ返し(メトロノーム100bpm)
  3. R3:ダック→左ボディ→右(ゆっくりでOK)
🏁 初心者:2分×3R(休60秒)

  1. R1:右スリップ→ジャブ/左スリップ→左フック(30秒ごと)
  2. R2:フック想定のダック→ボディ→上(角度を半歩作る)
  3. R3:パートナーのコール反応(「右!」「左!」「フック!」)
🔥 標準:3分×3R(休60秒)

  1. R1:ロープ下シャドー(前進3歩→後退3歩で角度も)
  2. R2:ミットでスリップ→即カウンター(ラッシュ10秒×3)
  3. R3:実戦想定:フェイント耐性(明確に出たらだけ反応)

※ロープは胸〜顎の高さで水平に張る。ラダー代用なら床にテープ線を引いて「線を跨ぐ→線の外へ」でもOK。

ありがちNG→即修正

  • 動きが大きすぎる:避けた後が遅れる。こぶし一つ分で十分。
  • ガードが遊ぶ:逆手は常に顎の正面〜側面。パンチを迎え入れない。
  • のけ反る/前屈み:軸が崩れて反撃が遅い。膝と骨盤で微調整。
  • 視線が下がる:フェイントに弱くなる。肩〜胸のゾーンを広く見る。
  • フェイントに過反応:明確な“肩の抜け・腰の切り”にだけ反応。細かい小手先はスルー。

FAQ

腰をもっと切ったほうが避けやすくない?
切りすぎは戻しが遅くなる。膝→骨盤→肩が小さく連動する範囲でOK。常に即打ち返せる姿勢を基準に。
ダックの深さは?
10〜15cmで充分。深すぎると視界と反撃が遅れる。沈む=膝前屈=NG
まずは何から?
ロープ1本でOK。1分×3Rのロープスリップ→ミットで「右!左!フック!」のコール反応へ。
慣れたら2分→3分へ伸ばそう。

関連記事:ガード位置と顔面カバー/フットワーク入門/ミット打ちのコツ(3分制)/サンドバッグ3分ドリル。

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